劇団四季の最新海外ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、オーケストラによる生演奏で上演されることが判明した。
これは劇団四季公式サイトが公開した、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の稽古場取材会の記事において、マーティ・マクフライ役の立崇なおとが「生オーケストラで上演されるので、あの音楽を目の前で聴いて歌える」と発言していることから、明らかになったものだ。
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日テレの公式YouTubeが公開している、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の稽古場取材会の動画(実際のシーンの場面)では、稽古ピアノとドラムスによる演奏となっていたので、これは確かに、本番は生オケ確定だろう。
周知の事実だが、劇団四季では、オーケストラ演奏を事前収録した音源伴奏(いわゆる「テープ」、「カラオケ」)での上演が中心となっていて、現在、生演奏での上演は大変に貴重でもある。今では『オペラ座の怪人』が首都圏に限り生演奏で上演。そして『アナと雪の女王』が生演奏で上演している。その2演目だけだ。
かつては東京公演においては、海外ミュージカルやオリジナルミュージカルも含め殆どの演目が生オケで上演していた。しかし、2011年に発生した東日本大震災以降、生演奏をどんどん縮小し、どの演目も音源使用に変わっていったという経緯がある。
震災以降に幕を開けた海外ミュージカルは『アナ雪』を除いて、初演から音源演奏であったため、今回の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もそうであろうと予想していた人は多かったと思う。私もそうだ。
もしかすると四季としては音源使用を所望したのかもしれないが、権利的な事情があり生演奏になるのかもしれない。でも、少なくとも初演は生演奏で上演してくれるのはもう確定したのだから、色々勘ぐるのはやめて、素直に生オケ確定を喜ぼうと思う。楽しみだ。
さて、稽古場のYouTubeに話を戻そう。マーティ役立崇なおととドク役野中万寿夫、マーティ役笠松哲朗とドク役阿久津陽一郎の二組による、別々のシーンを見ることができる。コメディ要素が多く、マーティとドクの掛け合いに見学者からの笑い声も多く見られた。ミュージカルナンバーに入るの流れがとても自然で、これは本編を見るのが本当に楽しみになった。
そして、その動画の中のインタビューで、ドク役の野中万寿夫からまた興味深い話があった。「劇団四季はアドリブがNGだった時代もあったが、今回はアドリブをどんどん入れてくれという演出がある」とのこと。
これは『アラジン』でも開幕当時、同じように演出で「アドリブ」を求められ、アドリブNGの劇団四季にとっては苦労したという過去がある。その結果、「アドリブ風な楽しい台詞の掛け合い」が採用されているが、今回の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、稽古場動画でアドリブっぽいやり取りがいくつか見受けられた。開幕したらどのような台詞の掛け合いを聞けるのか。今から楽しみだ。
劇団四季ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、4月6日(日)より、東京・浜松町/竹芝のJR東日本四季劇場[秋]で日本初演が開幕する。
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海外新作ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』稽古場取材会が行われましたhttps://t.co/ptkApoKDKo
— 劇団四季 (@shiki_jp) February 27, 2025